Positive Deviance(ポジティブな逸脱)No 13

事例15 神戸大学の研究論文
Lisle 2023.05.16
誰でも

今回のキーワードは、「若手とベテランのポジティブな逸脱者同士のインフォーマル・コミュニケーション」です。

事例15

神戸大学の研究論文

イノベーションの成果を高めることで明らかになったのは,若手とベテランのポジティブな逸脱者同士のインフォーマル・コミュニケーションの重要性であり,このコミュニケーションを他の組織メンバーに拡充していくことがポイント。

 No12紹介した同様のセットと似通っている

「センスの良いヤンチャな若者(成田悠輔のような?)」と「おおらかな高齢者(バブル世代?)」のセットでしょうか? 売れている画家には、パトロンがいるのと一緒の構図。

 加えて、判明したのは,ベテラン PD の質問力が鍵であり、若手 PD が相談したとき,質問を何度も投げかけることで問題解決の適切な方向付けを行っていたということである。また,「関連付け思考力」が優れていることから,若手 PD の持ち込んだ新たな情報・知識を社内特殊的な知識へと関連づけて助言していた。つまり、トランスフォーマーの役割を担っている。

 トランスフォーマーとは,若手 PD が組織内に持ち込んだ情報を組織特殊的な知識へと知識転換する役割を担う。このトランスフォーマーが存在する場合,組織全体のコミュニケーション・パターンは,まずゲートキーパーが外部の情報を組織にもたらし,それをトランスフォーマーに伝え,このトランスフォーマーを通じて他の組織メンバーにもその情報を伝達されるという 3 段階のコミュニケーション・フローとなる。この場合,ゲートキーパーとトランスフォーマーとのインフォーマルなコミュニケーションが組織全体の研究開発成果の鍵となる。

 つまり、「センスの良い若者」=ゲートキーバー、「おおらかな高齢者」=トランスフォーマーになりますね。トランスフォーマーは、組織知のための知識転換をするために言語化スキルが必要ですね。ゲートキーパーの読めない文字を組織知にするためには、トランスフォーマー側で読める文字へ変換をする。

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